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2015年5月

2015年5月26日 (火)

ヒートペン改造

ヒートペンそのものについての記事を書くのは初めてかもしれない。

ヒートペンは昔からあるホットナイフなどと同じく、熱でプラスチックを溶かしながら加工する工具である。ヒートペンがこれまでのホットナイフ等と異なるのは、これがプラモデルに特化した製品であるということで、次のような点が特徴である。

  1. プラスチックを溶かすことに特化した温度設定(280℃以下)
  2. 細工向けにペンのような持ち方ができるようヒータと持ち手の構造を工夫
  3. 様々なアタッチメントを別途揃えることができる

3.のアタッチメントは溶接跡、リベット(普通の丸頭、枕頭鋲、旧日本軍戦車の被弾経始リベットなど本当に色々)、ボルト、小スケール(1/144, 1/100)フィギュアの切り出しや、はてはギヤの切り出しまで本当に様々。

私は、最初リベットなどのディテールの追加に使用していたが、(例の)ガールズ&パンツァー関連の戦車を作った時に「やっぱガールズ&パンツァーなんだから戦車だけじゃあなぁ」と1/35フィギュアを自作しようと思い立ったときにヒートペンを使ってランナーから骨組みを作ったあたりから造形のツールとして認識するようになった。造形ツールとしての長所は、何と言っても材料費がタダ同然(プラモのランナー)で手に入るという点と、それがスチロール樹脂という扱い慣れた加工性の良い材料であるということ、そしてパテなどと比較すると乾燥待ちの時間が要らないという点だろう。

ヒートペンは半田ごて同様先っぽのアタッチメントを交換することで多様な工作を可能としているが、アタッチメントはφ4の棒材から自作もできるので、私はφ4からφ2あるいはφ1へのアダプタを自作し、φ2やφ1の棒材を削って細工用の自作アタッチメントを製作して使用している(下の写真はφ4→φ1へのアダプタとφ1棒から削った自作アタッチメント)。

Heatpen03

ところが、ヒートペンは熱を使って加工する関係上極端に細い部品の整形には向かない。熱によって被加工物が変形してしまうからだが、それ以外にも理由があるような気が最近してきた。ペン先温度が安定せずアタッチメントによっては徐々に上がってしまうようなのだ。これは、ヒートペンの温調部分の仕組み上仕方ない部分でもある。

そこで、ペン先温度をセンサで計測し設定温度に対するフィードバックを行う温度調整部を自作しようという気になった。センサの問題さえ解決すればそれほど難しい問題ではないはず。

ということで作ってみたのがこれ

Heatpen01

ケースは100円ショップ、部品はほとんど手持ちのものでマイコンはAVRを使ってArduinoとして使えるようにすることでソフトウェアは楽をしようという仕様。電源アダプタは秋月のものを分解して中身を使用、センサも電力制御用のSSR(ソリッドステートリレー)も秋月で調達したもの。表示は液晶で上段が設定温度、下段がセンサから読み取った現在温度という仕様で、垢抜けない表示系だけどまぁ必要な情報は表示できてるかな。

Heatpen02

使ってみるとなかなかで、コンセントを入れてから使えるようになるまで(温度表示が150℃前後からランナーを切るくらいはできるようになる)1分待たずに済む、これもフィードバック制御の効果で設定温度になるまでは全力運転するので今までのように10分とか待つ必要なし。温度制御のアルゴリズムももう少し詰める余地がありそうだが、今の所設定温度±10℃くらいでおさまっているので使用上の不快感はない。大きいプラ材に触れてペン先温度が下がった時は頑張ってくれるので使い勝手はいいし、使ってる最中に突然糸を引くような(溶けたプラ材がペン先に付着する現象でペン先温度が高すぎるときに起こる)こともなく、以前よりも細かい作業での失敗が随分と減り、自分が上手くなったと錯覚するくらいだ。

というわけで、最近模型を作っていなかったのはこれが理由。ツールの改造って結構面白い。

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2015年5月25日 (月)

ピットロード 1/700 ウォースパイト起工

少し前にピットロードの1/700ウォースパイト1915を起工した。

いままで日本の艦船ばかりだったが、今回は初めて英国艦でしかも第一次大戦艦(改装されて第二次大戦でも大活躍したが)を作ることにした。理由はユトランド沖海戦に参加した戦艦であることと、入手のしやすさ、そしてラムのある艦首がカッコイイと思ったからである。ま、ラム云々に関しては、折角のフルハルキットも洋上モデルとして作っちゃうんだけどね。

戦艦というのは調べてみると面白くて、学校の歴史で習う日清戦争の黄海海戦や日露戦争の日本海海戦の戦訓が戦艦開発史において大きな影響を与えていることや、サイズが重量や出力などに関するざっくりとした知見を与える二乗三乗則が洋上戦闘艦に関しては他の場合と異なりサイズが大きくなればなるほど攻防性能に有利になること、それが大艦巨砲主義を支えていることなど、ロマンと狂気が産み出した巨大構造物というイメージとは真逆の、その時代なりのリアルをきちんと組み上げた上でのものなのだということが分かる。ま、結局艦隊決戦思想が幻想であることは第一次大戦でみんな薄々気づくし、条約で数が減ってしまうので戦局に与える影響力も少なくなるし、砲撃以外の攻撃手段の発達によって「戦艦は戦艦でしか対抗できない」という前提もくつがえってしまうことで戦術的にも意味が薄くなってしまい結局は滅びちゃうんだけどね。そこがまたロマンなのよね。

ウォースパイトはクイーンエリザベス級の2番艦で、ユトランド沖海戦で大ダメージを食らいながらもなんとか生き残り、改装されて第二次世界大戦でも大暴れした武勲艦で、おそらく戦艦史を通して最も活躍した戦艦である。クイーン・エリザベス級は、初めて重油専用の機関を搭載することで給油の手間と時間を削減する一方でエネルギー密度の高い重油を燃料とすることで巡洋戦艦に迫る24ノットという快速を得ることになった。また、本級に搭載された38cm砲は第一次大戦における最大の火力を誇り、その速度と合わせて本級は第一次大戦最強の戦艦群といえる。

で、ピットロードのキットですが、ウォースパイトの1915年当時の姿をキット化したものである。今まで古いウォーターラインシリーズを作ってきた感覚からすると出来はとってもいい。パーツの合いもいいし細部の再現度合いやパーツのシャープさも程よい感じ。ただ、主砲等はすんなり組めなくて、一部削ったりする必要がある。ただし、プラは柔らかいので加工性は良い。

Warspite01

今回のテーマも、最低限の自己満足と最低限の手間という今までの路線を踏襲しているが、やっぱり素組みとはいかないのは仕方ない。司令塔まわりを少しだけ加工、これで司令塔っぽくなった。

Warspite03

ところで、艦橋にこのようなエッチングパーツを使うのはどうなんだろ? 窓のひさし(?)のモールドのためにエッチングというのもどうかと思うが、意外と面倒な割に仕上がりもイマイチなので第3層(?)は窓の部分にピンバイスで穴を開けてみたが、これでいいじゃんという気がする。

Warspite02

第一次大戦艦は艦橋がスマートである種の優雅さが感じられるのがいい。日本の戦艦も1920年代の姿を再現してくれたらなぁ。この時代の金剛型とかとてもカッコイイと思うのだが。

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