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2014年3月 6日 (木)

艦船模型製作の教科書

最近艦船模型の分野が熱い。最近といってもここ15年位だから最近というのは大げさだが、この15年位で艦船模型の標準がガラッと変わってしまった。一つにはエッチングパーツに代表される後付パーツの進化と、雑誌の作例で後付パーツをふんだんに使った超精密艦船模型が紹介されるようになったことも大きいと思う。とにかく、私が子供の頃とは艦船模型を取り巻く環境が全く変わってしまったのである。

で、このおもいっきり上がってしまった艦船模型の標準に対し、自分としてはどのあたりを落とし所とした作り方をすればいいのか、趣味らしからぬ考え方とは思うがかけた手間に対する出来上がりの満足度を最大化するにはどの程度作りこめばいいのかという課題を最近は考えている。作り込めるだけ作りこめば良い、というのも立派な回答だが私はそこまで時間に余裕がなくやはり気にならない箇所に関しては手を抜きたい。

そこで、ヒントになりそうな艦船模型の本を買うことにした。今回買ったのはホビージャパンから出ている「艦船模型製作の教科書~艦船模型を一から作ってみよう~」である。入門書のような本だがAmazonでの評判が良く、初級から中級クラスまでをカバーしていそうなところで、丁度この辺りに良いヒントが隠れているような気がしたからである。

ざっと目を通してみて、これは良書、特に初めて艦船模型を作ろうと思う人にとっては非常に良い教科書だと感じた。最初は買ってきたキットをそのまま組むための手順を解説しているのだが、色を塗る順番や細かいパーツの取り扱いなど、初心者なら考えこんでしまうところをうまくフォローしている。そしてなにより、最初の製作解説を読むと、なんだか一度ストレートに組んでみたくなるのだ。あれこれ考えず、かるーく作ってみるのもアリかな、と。

最初の製作記事で制作しているのがタミヤの阿賀野。このキットはリニューアルが済んでいないのでパーツ数は今のWLと比較しても少なく初心者には組み立て易い上に、キット自体の出来が非常に良いので仕上がりもいい。この本では、この阿賀野のキットの仕上がりを原点として、ここからどのようにレベルアップしていくかという話の進め方になっている。

阿賀野の次は、今どきのキットとしてフジミの1/700雪風を取り上げている。フジミのキットはWLで省略したところも出来るだけ再現しようと試みた意欲的なものが多く、精密に仕上がる反面組立にはある程度以上の技量と注意深さが必要になってくる。特にパーツが細かいので、何も考えずにニッパーで切ってしまうとパーツそのものが破壊されることがあるなど、精密なキットならではの問題とその攻略方法を紹介している。

その次はサードパーティー製の精密な装備品パーツを使ったディテールアップ、次はキットの部品そのものに手を入れたディテールアップ、更にその次は金属線を用いてマストを作り直す方法といった具合に作りながらステップアップしていくという構成になっている。作例を写真で見せているのでステップアップの効果が目に見え、効果が目に見えるからやってみようという気にもなるという好循環を生み出すことだろう。

そんなわけで、これから艦船模型を始めてみようという人、あるいは昔作っていたがブランクが長い出戻りモデラーが最近の艦船模型事情を取り入れつつ作ってみたいという人にはオススメ。モチベーションを上げつつテクニックを学ぶことが出来る。

さて、私の課題に対してはどうかというと、直接的な回答には至らない(もとより何かの本を読んでいきなり回答が得られる類の問題でもない)までも至る所にヒントを見つけることが出来た。この本の素組みを原点としてステップアップしながら解説するという本書のスタイルが、作り込みの段階を可視化させる効果となり私の問題の輪郭をハッキリさせることにつながっているようだ。また各作り込み段階ごとに作例があるので、素組みだとちょっと、やはりマストの置き換えはやらないとダメ、とか、逆に煙突の金網は何が何でもエッチングが必須なのか?など、具体的な個別の課題に落とし込めたという効果も大きい。

先に本書は初、中級者向けと書いたが、一通りエッチングパーツ等を使いこなし精密な模型を完成させるスキルを持った上級者であっても、その作り込み度合いに一定の線引をして数をこなしたいという人も少なからずいると思う。そういう密かな(?)悩みを持った上級者にも何かヒントをくれるであろう、そんな一冊でもある。

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