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2014年3月17日 (月)

モデルアート増刊「帝国海軍駆逐艦総ざらい」

駆逐艦雪風を作るにあたり、手元の資料が少ないことを痛感していたので興味を持って調べてみた本。amazonの評価はおおむね良好で、資料としても一定の価値がありそうなので購入。

実際に手にしてみると、模型用資料としての価値が高い。「模型用資料として」と断りを入れたのは、この場合は写真だけでなくイラストによって形を表現していること、またそれら情報を模型用パーツと連動させているからである。

戦時中の艦船の資料は時代的にも古く、写真も不鮮明かつ斜めからのアングルが多いので普通の人は正確に形を追うことが難しい、それをイラストに描き直すことで誰にでも見やすくなる。更に、駆逐艦の各武装に関して、写真とイラストだけでなく現在手に入る模型用(1/700)パーツを比較したレビューとともに掲載している。これも、艦船模型を作る側からすると大変ありがたい。装備品パーツのキットは中身を見ることが基本的に出来ないので、装備品パーツを相互に比較することは金銭的に難しく、更にそのうちのどれが実際の装備品に忠実といえるのかという判別はもっと難しい。それが、実際の装備のイラストと、市販されているパーツが写真入りの一覧になっていれば、模型製作のための情報密度が格段に上がる。

これ見ちゃうとファインモールドのナノドレッドシリーズがいかに凄いかが分かる、ピットロードの新パーツシリーズも凄いと分かったので必要に応じて買ってみようかという気分になる。

話はそれるが、本書と似たような資料用というコンセプトで制作されたモデルアート増刊「日本海軍艦艇図面集 戦艦/駆逐艦/小型艦艇」(1989年)と比較すると、本書が単なる資料の枠を超え艦船模型を作る上でのガイド的な役割をしているところに25年の時代の差を感じる。

「~海軍図面集」が戦艦、駆逐艦など幅広い艦種をターゲットとしているだけに、それぞれの艦種に割けるページ数が限られているというハンデもあるのだろうが、キットを作る上で「艦船模型を作るにあたりどのあたりを落とし所にするのか?」という問題意識は1989年当時には殆ど問題視されなかったはずである。

さて、本書の私なりの評価とは別に、私がこの本を買ってよかったと感じたのは、最近の私の課題と同じ、つまり艦船模型製作にあたりどのあたりを落とし所にして作ればいいのか、という問題に対して参考となる記事が掲載されていることである。なあんだ、みんな同じ問題で悩んでいるんだ。

欲を言えば「精密模型を作りたいけど最初からはできないから出来るところから、ステップを踏んで」という初心者向けのアプローチだけでなく、金属素材やエッチングパーツも使えるけど、特に効果のあるところに絞りたい、「できるけど手を抜きたい」という切り口の記事がもっと多くても良かったのではないかと思う(「精密感の程よいバランスを探ってみよう」だけかな)。

とはいえ、元々そこにポイントを置いた本ではないのだからそこに突っ込んでもしょうがない。駆逐艦限定とはいえ模型製作に使える情報が一冊にまとまってる、これだけでも買ってよかったと思える本である。とはいえ、駆逐艦は多分そんなに作らないよなぁ。

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