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2012年2月23日 (木)

車載動画の広がり

昨日twitterのTLで車載動画について話題になった。その内容は、映像技術的な切り口からのもので、マンネリに陥ることなく努力が必要という車載動画主に対するエールのようなものだったと私は受け取っている。

それについてはともかく、そのpostをきっかけに「面白いとされている動画」と「私が面白いと感じる動画」の違いについても大いに考えさせられ、久しぶりに自分の考えをまとめてみたくなった。

考えといっても、私の感じ方については既に

http://e-n.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-8e4e.html

に書いており、今でもここに書いてある考えは変わっていない。

ここでは、車載動画が現在のような盛り上がりを見せているのかについて考えてみたいと思う。以前から旅の記録として、サーキットなどの記録及びドラテク研究のためにカメラを車載して撮影している人たちはそれなりにいたはずであるが、それは、一部マニアたちによる細々としたものだった。私もサーキットを走った動画を記録として残しているが、それはあくまでもドラテク研究だったり記録だったり、とにかく編集して他の人に見せるという目的ではなかったのだ。

そんな車載動画が、今日のような盛り上がりを見せるきっかけとなったのは、2007年の8月20日にかずさのすけさんが投稿したこの動画である。私も、知人にこの動画の存在を教えてもらい、この動画を見て車載動画の面白さに気づいたクチである。

それでは、この動画以前の動画とこの動画の何が違うのか、何故この動画が多くの人に支持され、この動画のスタイルを踏襲した動画がいくつも作成され、車載動画という分野が今日のような広がりを得ることになったのか。まずは、それ以前の動画とこの動画の違いについてまとめてみる。

この酷道152号線動画を特徴付けるものとして次のようなものがあげられる

  1. 酷道を走った動画であること
  2. 国道を一本まるまる走った動画であること
  3. 早送り動画であること
  4. BGMをあとづけしていること、あるいはアニソンや東方といった選曲
  5. テロップを使用してその時々の状況を説明していること
  6. テーマを冒頭で説明していること

その他にもあるかもしれない。

結論から言うと、3. 4. 5. のような技巧的なものについてはこの動画以前の動画にも見ることができるが、1. 2.のようなネタの仕入れどころはこれまでにはなかったものである。また、6.もこの動画が始めてだが、これは酷道をネタにするからこそ6.のような説明が必要だったということで、あくまでも結果的なものだと言うのが私の考えである。

それでは、かずさのすけさん以前の動画をいくつか紹介してみよう。

この動画は津軽道をテーマに走った動画である。技術的には、早送りにBGMをつけてところどころテロップで解説を加えている。先のリストにおける3. 4. 5は既にこの動画にて試みられており、更に津軽道というテーマを掲げたところは2.の条件をもクリアしていると言っていいだろう。

BGMにアニソンを使用した動画もいくつか存在する。

この動画は早朝撮影+ローアングルにアニメBGMという合わせ技の動画である。しかも1998年に放映された「lain」のOP曲というマニアックな選曲で動画の雰囲気を盛り上げている。「lain」という作品については私自身色々思うところもあるが、それはとりあえず関係ないのでおいとく。

この動画もルパン三世のOP曲をBGMとして使用している。先の動画もそうだがどういうわけか投稿時期から考えると古い曲だからBGMとして流したとしてもそれでウケるかどうかはともかくアニメ曲をBGMとした動画は存在していたことは確かである。

余談だが、この動画で走っている小熊山というのは「おねがい☆ティーチャー」などで知られる木崎湖の西側にある山で、小熊山にあるパラグライダーの離陸場から見下ろす木崎湖がワンシーンとして使われていたりする聖地でもある。

さて、本題に戻ると、酷道152号線の動画のどこに新規性があったのかということだが、それは、「早送り」「BGM」「テロップによる説明」という技巧面ではなく、酷道を丸々一本走ってしまうというネタ(当時はそんなことをする人は酷道マニアくらいだった)を記録した動画で、冒頭に酷道についての説明を加えることでネタとしての楽しみ方を予め提示していたからこそ視聴者はすんなり楽しむことができるよう工夫した部分にあったのだと私は考えている。

勿論、形式を揃えたからといって面白い動画になるわけではない。BGMに何を使うか、どのタイミングで切り替えるか、テロップで何を言うか、そのタイミングは? 冒頭の説明(私は勝手にこれを「扉」と呼んでる)のデザインはどうするのか?扉は道の説明にするのかアニメのOPのようなスタイルにするのか? そういった積み上げの末に動画が出来上がるのだから作り込みを無視する訳にはいかないのも確かである。しかし、かずさのすけさんの動画に関しては、形式を整えることによって視聴者の支持を得て車載動画の一時代を築いたのだと思う。

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