« リアルロボットの思い出(その2) | トップページ | オイル交換 »

2010年12月18日 (土)

リアルロボットの思い出(その3)

今日もリアルロボットの話題。先日のエントリーは、個人的な記憶と思い出を書き連ねたものだが、今回は「リアル」ということについて考えてみたい。

ガンプラを「リアル」に仕上げるとは、実際の機械としてどのように運用されるのかの考証を行い、説明書(アニメ)の指定色ではなくより現実の機械にありがちな色を使って、なおかつ使用感もあわせて塗装で再現し、整備用の注意書きなどを書き込みあるいはデカールで再現し、運用上必要と思われる手すりや滑り止めを追加するなどである。一言で言えば、現用の機械の延長線上に見えるよう演出することであった。

それが、ダグラムにおいては、アニメ作品の世界そのものが「リアル」の文法で作られていた。つまり、アニメ作品の中に登場するロボットそのものが現用の機械(兵器)の延長線上のものとして作られ、ヘリやジープなどの現用世代の兵器とともに運用されるという世界観を構築した。その後番組であるボトムズのメカ設定も基本的には同じアプローチである(ボトムズについては、後述する世界観に合わせた「リアル」という側面もあるにはあるのだが)。

ザブングルも、ダグラムとは異なるアプローチではあるが、メカの世界観に関しては現用の機械(こちらは我々が日常の足として使用している車)と同じ燃料、同じインターフェイスで動くという設定空間を構築し、そこからデザインされたロボットは人型を大きく外し、車、トラクターなどの農業機械、建設機械などを思わせるディテールをまとっていた。

ダンバインや、エルガイムは、リアルロボットとはいえ現用の機械とは全く異なるモノとして設定されている。ダンバインやエルガイムを「リアル」とするかどうかについては賛否両論あるだろうが、両作品に共通して言えるのは、その世界観の中では十分に成り立つよう設定されており、世界観とセットで考えれば「リアル」であるといえる。

さて、当時たかだか中学生であった私にとって「リアル」といえば、ダグラムやボトムズのアプローチであった。トラック型の兵員輸送車とコンバットアーマーや、装甲車とATを組み合わせたダイオラマの持つ説得力は、まさにホンモノがすぐにでも実現できそうだったのだ。

ところが、実際に機械を学び、そして実際に作る側に回ったとき、現用の機械と行動を共にするロボットというものに違和感を覚えたのだ。つまり、10mもの2脚歩行ロボットが当たり前のように運用されている世界において、正規軍の兵士の足がジープだったり、戦闘用の航空兵力が現在(というより、80年代当時)の戦闘ヘリとほとんど同じようなものであり得るだろうか?という問題意識が出てきたのである。

ソルティックやアビテートの技術者が頑張ってコンバットアーマーの研究開発をしている間、車両や航空機メーカーの人間は何をやっていたのか?あいも変わらずジープとヘリばっかり作り続けていたのか?そんな怠慢が車両メーカーと航空機メーカーに限ってゆるされていいのか? いや、ソルティックはもともと航空機メーカーという設定だから、コンバットアーマー部門の技術者が散々苦労している間、航空機部門の技術者はのうのうと今までと同じものを作り続けていていいのか? コンバットアーマー開発の部門からクレームがつかなかったのか? など、色々と考えてしまう。

その思いは、中学生のときの思い出とともに美化されつつあるダグラムを見たときよりも、同じ路線の「リアル」を追求した「新機動戦記ガンダムW」を見たときによりハッキリと感じた。もう笑っちゃうくらいに、つかガンダムWは大笑いで見ながら楽しんだわけなんだが。

そう考えると、ダンバインやエルガイムのような「世界観とのマッチングをもってリアルとなす」考え方の方が筋が通っているように思えるのだ。ロボットが開発され、進化していく中で、現用の機械がそのままの進化を止めているはずがない。必ず何らかの進化があるはずだ、という考え方は非常に説得力を持つ。

現用兵器とロボットが共存する世界観を構築しつつ、(苦しいながら)設定上うまく折り合いをつけているのが「フルメタル・パニック」かな、と思うのだが、時代を超えた天才の存在を設定するくらいアクロバティックなことをしなければ2脚歩行ロボットと現用兵器が共存する世界を成立させるのは難しいという証左なのかもしれない。

« リアルロボットの思い出(その2) | トップページ | オイル交換 »

趣味」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/504245/50329748

この記事へのトラックバック一覧です: リアルロボットの思い出(その3):

« リアルロボットの思い出(その2) | トップページ | オイル交換 »